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音探し

ラヴェルの”クープランの墓”、頑張って(笑)弾いています。

少しずつ曲が自分のものになっていく作業中というところでしょうか。

このお盆休み中に読んでいた乾ルカ著の”メグル”というミステリーのように、

組曲を練習していますと作曲者の意図を一つ一つ

読み解いていくという感覚があります。

微妙に和音の音が替わっているのは何故だろう?

以前はその違いは認めていても

作曲者の意図までは自分自身に通じていなかったと思います。

確かにハーモニーの違いを感じ弾き分けてはいましたが、

今は弾いているとより作曲者を身近に感じられるのです。

これは信長貴富先生の初演を伴奏させていただき、

先生指導のコーラス講習会に参加したからこそ

身についた感覚だと思っています。


そして、

このお盆休みで久々にフィクションの小説を読んだことも

ピアノを弾く上でヒントになります。

私はフィクションの小説は推理小説以外は読まないのですが、

今回は縁あって乾さんの小説を読みました。

そして文章のなかでは状況や心情を描写するのに

どれだけの言葉が必要か再度痛感いたしました。

一つ一つベストな言葉を考えながら書き進むという作業は、

どこかピアノの練習にも似ている部分があります。

この音じゃない・・・

こんな感じかな・・・

ここはフレーズを大きく取ってこの小節までもっていこう・・・。

音は小節のよう文字として残りませんが、

頭の中は自分が考えた音の文章が沢山詰まっている。

しかも鳥瞰図付きで(笑)。

音探し、通し稽古・・・etc。

いろいろなことの組み合わせで演奏は成り立っている。
by hibikore-koujyo | 2010-08-17 09:09