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久々に熱く思うこと

今、15年以上伴奏している合唱団では
2012年の春を目標にリサイタルで歌う曲を練習しております。

その中にヴァイオリンが合唱とピアノと一緒に演奏するとても珍しい曲があります。

ヴィヴァルディの四季を日本の歌と合わせた
編曲のような作曲をされている作品です。

そこでヴァイオリニストをどうしようかということになったのですが、
練習開始の段階から合唱の団員の方が弾いてくださいました。
確かに団員達も”こんな感じになるのね!”とやる気満々。

・・・とここまでは良かったのです。

その方は好意で弾いてくださったのですが、
20代以来のヴァイオリン演奏ということで
正直音程が定まらない箇所があるのです。

そしてその演奏テープを聴いたボイストレーナーの先生が、
私の生徒でヴァイオリンを弾ける人がいるので紹介しましょうか?・・・と。

団で話し合った結果、
ヴァイオリンは最初から弾いてくださった団員の方にお願いすることに
再度決めたのです。

そこで私が友人のヴァイオリニストにレッスンをお願いし受けてもらったところ、
”1月(2011年の)までに音程が直るかわからないという返事”。
しかも団員の方がどれだけ出来ないかを懇々と訴えてくるのです。

・・・それくらい、私にだってわかります。
その方が音程が取れない箇所があることくらい。

それを直すのがプロなんじゃないの?と思ってしまいました。
その方が自力で音程を直せないから依頼したのですが。

ステージは聴いて下さるお客様に聴かせられるように準備するのが当然です。
これはプロもアマも共通項。
でも、だからと言って練習させずにプロに頼んでは?というのは、
なんだか音楽を楽しむというよりは”きちんと演奏する”ということに
重点を置いている気がして納得がいかないのです。

しかもアマチュアの人がプロより完成度が低いからと言って
演奏してはいけない・・・なんてことがあるでしょうか?

コンクールで演奏するならまた別です。
来年1月のステージは2012年のリサイタルへの第1歩、
あくまでも合唱の集いでコンクールではありません。
そこで完璧だったらレッスンなんて受ける必要はないわけですし。

なんとなくがっくりきました。
何とかするのがプロ何じゃないの?・・・・と。

最後まで無理そうでも頑張らず、
見通しだけ分析して”無理です!”というのが妙に納得いかず、
12月からは私も久々にヴァイオリンを出して
その方と一緒に練習しようかと思っています。

もちろん私より団員の方の方がヴァイオリンは上手ですよ。
ただ音程は私の方が良いと思うのです。
ゆっくり練習することがその方にとって今一番必要なことなので、
私と合わせることで楽しみながら音程を覚えていって欲しい・・・。

やる前からダメだと決めつける考え方には納得いかなかった今回の件。

あ~、これだから私は甘いのか・・・とも思いますが、
何かをみんなで創りあげる過程が大切・・・そう思います。

よく発表会でショパンの即興曲を弾く生徒に向かって
”指使いがなってない”などと発言するピアノの先生がいるのですが、
その生徒が音大へ行くレベルでないことは明らかなのに
そういう発言を聞くと”???”と感じてしまいます。
本人が弾きたいと思っている気持ちが最優先で、
難しい曲にチャレンジしている姿勢に拍手・・・と思います。

ピアノが下手だから、
この曲は弾いてはいけない・・・なんてことは、
本当はないと思う。

師事している先生の方針などでそういう経験をした音楽家もいるでしょう。
レベルの低いものが難しい曲を弾くことで”真の意味で弾けていることにならない”とも。

でもそれは本当に音楽を愛することなのだろうか?
by hibikore-koujyo | 2010-11-20 19:20