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名画を見るように

今まで名曲過ぎてかえって弾かないできてしまった作品が結構あります。

その理由として、師事していた先生の方針に大きく左右されたということはあります。

例えば・・・・
ピアノを習っている子供なら大抵弾いているブルグミューラー。
”アラベスク”などその曲の冒頭を聴くだけでみんなが反応する有名な教本ですね。

・・・どうやら私は弾かずにバッハやスカルラッティにいってしまったらしいのです。
先生から言われていないのでその存在を知らなかったのです。
ただ他の子供がなんか弾いているな~という気持ちで聴いていた記憶。

そしてこの教本に触れたのは実はピアノ教師になってから。
なぜかと言いますと”前任の先生から引き受けた生徒のほとんどがこの本を弾いていたから”(爆)。

でもなかなか良い曲が多いですし、
テクニック的には多岐にわたっているのでピアノを楽しむには丁度良い教本なのですね。
ただ発表会でこの教本ばかりからですと聴いている方はあきてしまいますが(笑)

その他は”エリーゼのために”。

これもピアの生徒に教えるようになってから改めて楽譜を見ました。
子供の頃は、ミ#レミ#レ・・・・を一体何回弾くのか・・・よく知らなかった(爆)
小学生時代に耳で聞きかじったところを”何ちゃってエリーゼ”と言う感じで、
ミ#レミ#レミ・・・と始まる部分を数小節弾いて
適当に左手もつけて遊んでいた記憶があります。

さて、前置が長くなりましたが、
今回はそのベートーヴェンの有名な”月光”ソナタに挑戦したいと思っています。

音大の入試や入って1年目の古典派という課題の中からやはりベートーヴェンを選んでいたので、
さすがにしばらくはベートーヴェンはいいや・・・と敬遠していました。
そう、敬遠していたら弾く機会がなく時間が流れてしまったのです。

おやおや?

これで良いのか。

私は握力もないですし、手も小さい。
そんなこともありずっと弾かずにいました。

確かに弾こうかと思い始めてから、
重いソナタの楽譜を引っ張り出し譜面を見てみると、
規則的に並ぶ16分音符も多いですし、
やっぱり体力勝負の曲という印象は否定できません。

でも学生時代とは違い、
ベートーヴェンの音楽美に惹かれるものもあります。

個人的には弦楽四重奏はとても好きで聴いていました。

第九も合唱伴奏のお手伝いをしたり、
自分でも歌う機会が1度ありステージで歌ったことがあります。
怖いもの知らずというか好奇心が勝ったといいましょうか。

今日久々にベートーヴェンのソナタのCDを買いました。
アンジェラ・ヒューイットとマリア・ジョン・ピリスの女性ピアニストお二人のCD。

私にとっては、とても参考にしたいお二人でしたので迷わず購入してみました。
帰宅して早速聴いています。
なんとなく昔聴いていた時ほど”月光”の曲は長くはないと感じました。

子供の頃はクラシックの曲は長く感じるのでしょうね。

名曲を弾くことは、
名画を実際にルーブル美術館で見るような気分と似ているかもしれない、
ふとそんな気がいたしました。

もちろん演奏するということは絵画の本物とは違い贋作になるわけですが、
全く似ていない贋作にならないよう、
一歩一歩ベートーヴェンに近付いていきたいと思います。
by hibikore-koujyo | 2011-02-17 19:40